9月27日
朝、普通話で大声で話している複数人のおじさんとおばさんたちの声で無理矢理に起こされる。
中国人旅行者らしい。どうやらドア開けて部屋同士で話しているらしいのだ。すげぇ……。
変えてもらった僕の部屋は彼らの部屋の間にある。文句がアダになってしまったか。
「じゅんべいはおらま?(準備好了[口馬]?「用意できたか?」」などと言っているので、
彼らそろそろ出かけるんだろうと思って、トラブルは避けるべく、我慢する。(どのみち言い返せないし)
とはいえ、どのみち今日は広東省深[土川]へ行くつもりなので、
そろそろ起きなければいけない。
9時前に宿を出、近くを歩いて発見した、お粥のモーニングメニューの看板が出ている
「適香園茶餐廳」というお店に入り、魚の粥を食べる。油条とお粥は絶妙の
組み合わせだよなぁと思いつつも、やっぱり朝から揚げパンはちと重いのだった。
そんなに量はなかったが、残してしまった。

やっぱ朝は米だよね♪
深[土川]に行くためのKCR(九廣鐵路)に乗り換えるべく、
最寄の佐敦駅から一度地下鉄の路線も乗り換えて、「九龍塘駅」まで。
深[土川]は広東省なので、所持金を人民元(RMB)に両替しなければいけない。
地下鉄駅を出たところにちょうど両替所があったので、両替しておく。
ここからKCRに乗り約40分、電車は「羅湖」という駅に着く。
ここはすでに香港と中国本土との境界内にあるので、改札を出てしまうと後戻りはできず、
香港を出国して中国に入国しなければならなくなるのだ。
ここにはかなりの人が移動して来ており、検査待ちでかなりの行列ができる。
30分以上かかるも順番が来て出国はあっさりすんだのだが、入国手続きのときに、
ビザを申請する場所をすっ飛ばして先に列に並んでしまったため、
余計な時間がかかってしまった。
だが手続きとしてはすんなりと入国、3ヶ月ぶり、再び中国に足を踏み入れた。
といっても、北京とは雰囲気がずいぶん違うが、香港に比べて上に伸びるというよりは
だだっ広く広がっている感じに中国本土らしさを感じる。もう一つは香港ではほとんど見ない自転車が
けっこう走っていたこともやはり中国らしい。
しかし今日はおそろしく暑い。陽射しもきつく、ビルの間からモクモクとした入道雲が
顔をのぞかせている。はじめて日焼けしそうだ。

ごったがえす改札。
「香港居民」は簡単に出入境できるので、入り口が違うのだ。(緑色)
「訪港旅客」は赤い入り口。

開発中の深[土川]火車站前。
12時を過ぎていてお腹も減ってきたので、ガイドブックに出ていた、
点心の美味しいらしい「[シ半]溪酒家」へ。
廣式[青見]炸面、水晶白菜餃、[シ半]溪蝦餃皇、
香膜{絲春巻、香芒凍布甸を注文。
炸面というのは麺だとばかり思っていたら、油条だった。
しかもガソリンか灯油にに漬けたんだろうって感じのが5本も……そんなの食べきれないって。
でも味自体は美味いのだった。エビ餃子はちょっととろとろしていたけど、
美味いは美味い。これが広東か。
だがマンゴープリンは、殺人的に不味かった。
香港に来て以来最悪のマンゴープリン、というかこれってフルーチェマンゴー味?
というずるずるしたものが出てきたのだった。

[シ半]溪酒家、けっこうでかい。中も広い。

点心はいいが、芒果布甸がね……
と、多少納得のいかない食後、近くのテーマパーク「錦繍中華」に向かうべく、
タクシーに乗る。タクシーは北京で乗ったものとだいたい同じ雰囲気だった。
「錦繍中華」は、けっこうな広さの敷地に、中国の建築物や自然景観が
地図上の位置と同じように配置されているというもの。故宮や長城、天壇公園は
先日訪れたばかりだが、ここで中国全土を回った気になれるというわけだ。(なれるかなぁ……)
ポタラ宮殿や少林寺なんかもあったりして、結構楽しめたが、広くて歩き回るのにとても疲れるのである。
今日は死ぬほど暑いし。

錦繍中華、おばさんの写真を撮ってあげたので僕も撮ってもらう。
なんか、でぶでぶ……
引き続き、隣にあるテーマパーク「中国民俗文化村」へ。
ここは中国少数民族の建物が復元されていたり、それぞれの衣装を着た人たちが
歌ったり踊ったりのアトラクションをしてくれるというものだ。
その民族の格好をしている人がほんとに少数民族出身の人なのかは不明だが、
アトラクションをじっくり見た苗族は、それらしい雰囲気の面立ちではあった。
帰りは駅までいくバスに乗って戻り(タクシーの約10分の1)、駅前のデパート
「羅湖商業城」をうろうろ。結局なにも買わず。5時を回ったので香港へ戻ることにする。
帰りは来たときよりも混雑が少なく、30分もかからず出入国でき、KCRの乗り場まで。
近くの両替所で余ったRMBをHK$に戻し、乗車。そのまま終着駅「紅[石勘]」まで。
なぜ「紅[石勘]」に来たかというと、この近くに「蔡瀾美食坊」という、
ゴールデンハーベストのグルメなプロデューサ蔡瀾氏がプロデュースした飲食街があり、
そこに小籠包で有名な台湾の「鼎泰豐」があるのだ。
去年台湾本店も攻略した私としてはここはぜひ押さえておかねばなるまいと、
ちょうどKCRのターミナルでもあることだし、向かったというわけだ。
(しかし駅からけっこう離れているので、けっこう迷ってしまった)
香港店の店内は広くお客さんも結構入っている。すぐに案内され「やっぷんやん云々」と
いっているのが聞こえ、日本語メニューを渡されてしまった。やっぱりわかるのね。
無精髭を生やしたバックパッカーだしね。
そういえば香港で無精ひげを生やしている若い人ってあまり見たことがない。
迷いもなく小籠包だけを注文し、パクパクと食べる。うんうん、美味い美味い。そしてさっさと出る。
もう7時になりなんとしていたので、香港で初めてタクシーを拾い乗車、旺角へ。
やはり「モンコック」という発音が通じなかったので、地図を見せて目的地を示す。
オタクビル「信和中心」へと向かってもらった。
数枚VCDを買ったところで、なんとお金がもうないことに気づいた。昨日もいろいろ買い込んだからなぁ。
ということで、両替商を探すが、このあたりにはあまりないのか探し方が悪いのか見つからず、
チョンキンマンションにたくさんあったことを思い出して、MTRで一度尖沙咀まで行き両替。
取って返してまたもや買い物をする。こんなにハマるはずではなかったのに……
女人街で増殖した荷物のためのカバンを買い、近くに「許留山」があったので、
今日は普通のマンゴープリンを注文。しかしここの普通のマンゴープリンは、
周りに配置された果肉も当然のことながら、プリンの上にやっぱりココナッツアイスが
載っているのだった。これで20$は安いよなぁ。チェーン店なんだから日本にもぜひ支店を
作って欲しい。そしたら確実に太り続けるな。<自分
また女人街をぷらぷらし、お土産になりそうなものを買い込む。
ブチャラティのスタンド食らったような、どでかジッパーの付いたカバンはここでゲット。
街を歩いている人が持っているのをみたので、気になっていたのだ。
流行っているのか? ただこのジッパーは堅いし、意味がいまひとつ……(マチもそんなに変わらない)
荷物が増えたので一度ホテルへ戻る。
さて、10時を過ぎてはいるのだが、目をつけておいた佐敦の麺屋へ。
そこ「麥文記麺家」は60年続いているという老舗で、雲呑麺がお勧めのようだ。
迷いなくそれと青菜炒めを注文。これまた蝦が効いているワンタンがどどんと入っているのだ。
麺はおなじみの、かん水のきいたゴワゴワ麺。ああ、美味い美味い。
コンビニで飲み物を買って宿に戻る。荷物を入れ替えて、記録をつける。
そして、シャワーを浴びようとTシャツを脱いでびっくり。結構日焼けした……広東焼。
|